Lumix G1 レビュー

出張通じて持っていったので一応レビュー。あんまり書きすぎてカメラブログになるのは本望ではないので月並にこの記事で止めておきたいっ。撮った写真を現像できる環境にいないので画像無しの記事になるけどご容赦の程を。あとE-330が比較対象なので悪くいうこともあるかもしれないけどこれも許してください。
一応僕の今までの撮り方を書いておくと、

  • E-330使用
  • 14-54mmの一本槍
  • 絞り優先オートが殆ど
  • ライブビューが殆ど
  • 三脚持っていくのが殆ど
  • 露出補正の中心点は-0.7EV
  • RAWばっかり、撮ったあとの調整は当然
  • 動かないものを撮るのが殆ど
  • 半分くらいMF

という感じ。こんな人少数派だろ。そういう人が書いているという前提で。

ボディー、操作

やはり小さい。E-330の時は持っていくのが億劫になることもあったけどG1はそれに比べると非常に軽いので助かった。レンズも、実質liveMOSのサイズは変化がないのによくまあこれだけ小さくしたものだと感心する。
操作にはまだ正直なれていない。一番嫌なのが露出補正と絞りがモード切り替え(ダイアル押し)であるところ。E-330のように、なにかのボタンを押しながらが露出補正になってほしい。何か一つ操作をする時に、場合によって操作が異なるというのが僕は嫌。実際何度も露出補正しようとして絞りを触ってしまったりした。
まあでもISO値とか現在の絞りとか色々他にも覚えておかなくてはいけない要素はあるので諦めるか……。ファームアップで、AF/AEロック押しながらで露出補正になるようになる機能を希望。
その他の操作に関しては良く考えられていると思う。ISO値変更とかスムーズ。モード切り替えもスムーズ。EVF/LCD自動切り替えも非常に良い。カスタマイズ機能も充実していて、前述の事以外はほぼ自分好みにすることができた。
自由に動く背面液晶も便利。これは事前の印象良くなくて、E-330タイプで十分じゃね派だったんだけど、いざこのタイプ使ってみるとこっちのほうが便利だ。壁にひっつけても確認できるしね。
MFアシスト機能はEVFならでは。完璧にあわすことができる。中央以外の所にあわせたい場合は方向キーで拡大部分を移動可能。ダイアル操作でx5かx10かも選択可能。いたれりつくせり。

EVF(LVF)

明るさによってかなりS/Nが違う。暗いシチュエーション(ISO100で苦しい時)はゲインアップしてザラつき、仕上がりの印象から遠のく。明るいシチュエーションではノイズはないけど実際撮れる画像よりややコントラッシー。この辺は慣れれば脳内補正可能だと思う。露出補正には当然追従するので上がりがイメージしやすい。
カメラ屋で触ってみてもわかりにくい点としては、再生時には非常に高品質な画像が表示されるということ。撮影時のハイコントラストとは裏腹に、背面LCDよりグラデーション表現も解像度も上の画像を拝むことができる。撮った画像をEVFでみているとライトテーブル越しにポジを眺めているようなうっとり感がある。デバイスとしての能力はこれだけあるのに撮影時ハイコントラストなのは、現状liveMOSから60fpsでS/Nの良い画像を取るのは難しいということだろう。もしかしたら動画機は画素数落としてきたりして。

機能

最初に書いた通り僕は偏屈な使い方がメインなんだけど、想像以上にデキが良かったのがiA(インテリジェントオート)モード。今までのオートのイメージは「やけに明るい画像がとれるだけ、暗い所だと勝手にフラッシュがポップアップw」という感じだったけど、(画質の差もあるかもしれないけど)適切だなーと感心してしまう感じ。今回は出張で使ったので絞りがどうのこうの言っている場合じゃない記念写真的(イエーイみたいな)シチュエーションが多かったのだけど、難なく美しく撮影されていてびっくりした。本当になにも考えなくて良い。ちなみにフラッシュは自動ポップアップしないのも良い(フラッシュあげてね、とメッセージはでるけど無視できる)。

あと想像以上におもしろいのが追尾AF。今実験的にこれを常時使用している。追尾AFというと動体向け機能(実際panasonicのサイトでもそういう宣伝の仕方)かと思うけど、これは言ってみれば次世代のAFロックだ。中央に追尾したいものをあわせて半押ししてボタンを離すと、それ以降その部分にピントを合わせ続けてくれる。
つまり中央以外のものにAFしたい時に、さっと合わせたいものに追尾させて撮ることができる。コサイン誤差とか、カメラ前後に動かしちゃったかな、とかそういうことを気にしなくて良い。べつに被写体が動くんじゃなくてカメラが動いたっていいわけで。なお追尾が間違った場合は左方向キーですぐキャンセル可能。あと追尾不可なら、しぶとく再度半押しでシングルAFと同じ動きをする。これtipsです。

動体

はっきり言ってほぼ無理(少なくとも僕は無理)。C-AF時で連射すると撮った後の画像が延々表示される。C-AFが追従しないとシャッターが切れないので、うまく追従しない時はかなり前に撮った画像が表示されっぱなし。かなり悲しい仕様。AF合わせている時はシャッター開いているはずなので、その時くらいみせて欲しいのだけども。最初の一枚に賭けてあとはヤケクソに近い。

画質

色々撮ってみたけど、前の記事
http://d.hatena.ne.jp/spyuge/20081030/1225380149
に書いた印象とほぼ変わらない。E-330より明らかにハイライトが粘る。ハイライトが嫌な感じで飛びにくいので、露出補正は0EVを中心に撮ることができる。気持ちよい。
E-330ではそういう感じにできなかった。E-330はハイライト周辺がものすごくナイーブな印象で、黄色に色相がコケながらヌケていきやすかった。絶対コケるというわけじゃないし、ひどくコケるわけでもない。ホワイトバランスあってないわけじゃないよ。適正にしても白くヌケていくように撮るのは光の状態に非常に左右される、って感じだろうか。
G1は色相を保ってヌケるので安心してハイキーな写真が撮れるし、粘るので嫌味になりにくい。実際RAWでも、なにかのチャンネル飽和した時点から1.5EV程復旧する。やっぱ色相が転ばないのがいい!
あとローパスはL10と同じくらい薄いので等倍解像度が高い(それに意味があるのかどうかという議論は置いておいて)。かといって、べつに偽色はでない気がする。ビーナスエンジンの力なのかなんなのかわからんけど。
ISOは400までが実用範囲かな。

レンズ

キットレンズとしてはすばらしいのではないでしょーか。解像度、耐フレアなど優秀。
広角端では歪みがでるけど(湾曲でLeica外れたってどこかに書いてあったな)、まあ18mmまでズームすればほぼ真っ直ぐ。望遠ズームのほうはあまりいじってないけどこれも今までの印象は悪くない。ちっこくてこれだけ写ればまあいっかみたいな。僕は湾曲が大嫌いでこれは困ったと思っていたんだけど、18mmで解消するのがわかったので、ぶっちゃけこれで満足かもしれない。気がむいたら他のレンズとかマウントアダプタも試したい。
残念なのは、もうほぼ完全にフォーサーズとは別マウントということ。どのレンズでもAEできるG1にとってMFしかできないレンズは完全に別マウントと一緒だよ。同じフォーサーズを名乗るならもうちょっと頑張ってほしい。

総合

期待指数を100とすれば110くらいの出来。予約してまで買ったんだから期待は大きかったわけで、それを超えてくるのはすごいなーと正直思う。特に追尾AFには未来を感じる。