美について考える

cheep studio 4
別に写真の話ではない(こうしてブログは脱線していき日記になるのです)。「美について考える」(小田三月著)、という本を読んだ。運慶について、安部公房と現在の会、美について、etc.な評論集。なかなか読みごたえがあった。中でも書名の「美について」に関しては、できる限り惜しげもなく掘り下げている。グローバリゼーションに関わる文化の無個性化についての言及している部分もあって、それはすごく共感した。グローバリゼーションというか、メディアの発達(インターネットなど)による無個性だと僕は思う。結局刺激を受ける元が似たり寄ったりだから、反応や思考も似てくるわけで、僕もそういうメディア的なものから逃れようとしている。こういうブログもそうだけど、情報のエントロピーがもう大きくなりすぎて、無刺激になって、創造する力が失せ、あっちやこっちから持ってきた古き良き流行文化を引っ張ってリバイバルリバイバルを重ね、ザッパのいうところのノスタルジーに殺されちゃう状態に陥いるまで、あっという間だったりして。それは、かつての軍事教育のように明確な意思をもってではなく、無自覚のうちに背後からしのびよって、毎日耳の後ろから吹き込むようにじんわりと、浸透していくものだろう。それが怖い。ノスタルジーを推進するのは個人一人一人が作る情報の海だから。